おはなしの紹介(はだかの王様)




ある国に洋服が大好きな王様がいました。

そこへ世界一の洋服屋だと言う

二人組がやって来て言います。

「私達は、正直者で利口な人には見えるけど、

嘘つきや愚か者には見えない

不思議な布を織ることが出来ます。

その布でこの世の物とは思えない、

素晴らしく美しい服を作ってみませんか」


話を聞いた王様は大喜び。


「そんな服は今まで見たことも聞いたこともない、

さっそく、作ってくれ」

さぁ、どんな服が出来上がるでしょう。




しばらくして二人組の洋服屋が

出来上がった服を持ってお城にやってきました。




「王様、こちらが正直者で利口な人に見えて、

嘘つきや愚か者には見えない洋服です」



それを見て、うろたえる王様。

差し出された洋服が王様には見えないのです。

しかし、周りにいる家来たちの手前、

見えないとは言えません。

「おお、なんという素晴らしい洋服だ。」

王様は洋服が見えるふりをして、

満足そうに言います。


すると家来たちも

口を揃えて洋服を褒め称えます。


「これは素晴らしい洋服だ、

王様にすごくお似合いです。」


二人組の洋服屋は、

たくさんの褒美を手にして消え去ります。



その服の評判はついに城の外にまで知れ渡り、

一目見たいと言う街の人々の声に応え、

その服を着た王様が

街をパレードすることになりました。




街に現れた王様を見た人々はとまどいます。

しかし、街の人たちも自分が嘘つきや愚か者だと

思われたくないので、王様と洋服を褒め称え、

パレードは大いに盛り上がります。




そんな中、小さな子が言います


「ママ、なんで王様は裸なの?」


その一言に周囲が息をのみます。

王様もまたその1人です。


小さな子の正直な一言が

周囲の大人や、王様の心の目を覚まします。


写真提供:ペイレスイメージズ



お芝居では人の目を気にして

自分を偽る姿を分かりやすく伝えます。

自分の良心に正直に生きることは

案外勇気のいる事です。

ぬいぐるみによる楽しいお芝居を通して、

子ども達の良心を育む

勇気の種を

お届けいたします。






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