おはなしの紹介(つるのおんがえし)



両親亡き後、

祖父の吾作と祖母のウメと暮らすかん助。

ある日、薪を拾いに行ったかん助は、

かん高く鳴く鶴の声を耳にしました。



目を凝らすと、

罠に掛かって苦しむ鶴がいたのです。

可哀そうに思ったかん助は、

罠を外して逃がしてあげました。



その夜、家の戸を叩く音がしました。

ゆうと名乗る娘が道に迷ったと言うので

泊めてあげると、翌朝

お礼に美しい反物を差し出しました。

その美しさにかん助たちは驚きます。



祖父の吾作は

「これを代官様に持っていけば褒美が貰える」

と、欲がでてきました。

反物を見た代官は、

「これはすごい、もっと作れ」

と無理難題を押し付けてきました。



「一年に一枚しか織れない」

と困るゆうを可哀そうに思ったかん助は、

ゆうを逃しました。



それを知った代官は怒って、

かん助たちを牢屋に入れてしまいました。

3人を助けるために

ゆうは最後の力を振り絞って

反物を織る決意します。



「機を織る姿は、決して見ないでください」

との言葉を残して部屋に消えるゆう。

その約束を破った代官の目の先にあったのは、

自分の羽をついばんで機を織る

一羽の鶴の姿でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿